2023-11-15

【メモ】私がオーディション番組を観ない理由



私は K-Pop アイドルが大好きであるが、オーディション番組はあまり観ない。

大きく 2 つの理由がある。

以下、メモ感覚で言語化してみることにする。


1. オーディション番組の不条理を受け入れ難いから

アイドル自体、激しい競争の上に成り立っていることは十分承知である。しかし、本人達の努力ではどうしようもできない”運”やコンセプトとの”相性”が大きく影響するといった、非論理的かつ予測不可能性を多く含むオーディションの性質、さらにそれを全世界に配信する神経を、私は楽しむことができない。

現状のアイドルオーディション番組は、結成するグループのコンセプトやイメージを軸に、集まった参加者からメンバーを選んでいるケースが多い。というか、それがオーディションというものである。ただこれには先に述べたように、”運”や”相性”のような変えられない力が大きく絡む。非常に才能があり、努力を重ねた参加者であっても、以上のような”不条理”によって夢を叶えられない人たちは多くいるだろう(具体的な情報源を提示できないため、超憶測であるが)。にもかかわらず、「努力をして実力があり競争に勝ったからデビューできたのだ」「努力不足で実力がなかったから競争に負けたのだ」「運も実力のうちだ」といった雰囲気が蔓延るオーディション企画に、僕は強い違和感を感じる。非公開で実施するのはまだしも、全世間に晒すのはとても残酷であるのではないか。(受験や就活でも同じことが言えるが、全世界に配信されることはないだろう)

もちろんそんな単純な話ではないことは承知である。オーディション番組がきっかけで知名度を向上させ、活躍の場を広げた出演者もいる。ただ、それも"運"である。

2. 視聴者として浅い知識や、加工された情報でつくられた演出で、他人の人生を決める”感覚”が苦手だから

”感覚”と表現するのも、先ほどあげたような”不条理”に加え、ほとんどのオーディション番組では企画が盛り上がるように印象操作が行われており、正しい印象や評価を下すことは難しい。事実、多くのオーディション番組では、ドラマチックな展開や視聴率を意識した演出が行われていることは否めない。これはエンターテイメント業界の一般的な実践であり、番組の本質的な要素であるとも言える。つまり、オーディション番組では、他人の人生を決める”感覚”を体験しているのだ。私はこれが非常に気に食わない。若干 10 代~20 代の若者の造られた”努力”とか”苦しみ”を餌に、視聴者を「出演者の人生を評価している感」や「グループ制作に関わってる感」で振り回す企画自体が、僕には受け入れ難い。(うまく言語化することができず、語弊があるかもしれない)

そんなことをいいつつも、私は Kep1er や JO1, INI をはじめとするオーディション番組由来のアイドルが好きである。以上の主張が、全てのオーディション番組・企画に当てはまることではない。また、これらのコンテンツは一種のエンタメであり、ここまでマジレスする必要はないと思う。




社会全体の競争志向や比較文化に関しても、より肯定的で包容力のある方向への変化が必要だと思われる。個人を一律の基準で評価するのではなく、各個人のユニークな価値を認め、支援するムードをつくることが重要なのではないか。

少々話が飛躍するが、なぜ社会は競争やそれを通してギスギスするもの(”努力”や”苦しみ”)を好むのだろうか。

“Meaning of life” の重要性が訴えられている現代社会において、(アイドルに関わらず)なるべく多くの人々が自己実現を果たすためのチャンスやリソースにアクセスしやすい仕組みの実現が、そろそろ必要なのではないかと考える。

オーディション番組というものが、高いクオリティのエンタメを提供する手段であることは言うまでもない。私が主張したいのは、オーディション番組自体の否定ではなく、もっと色々な手段があってもいいのではないかということだ。

個人的には、参加者自身が軸となり、ファンがグループを組み立てていくシステムの実現が望ましいと考える。

2023 年現在、私の妄想に近いビジョンを掲げる企業がある。LOONAをはじめとした名だたる K-Pop アーティストを手がけてきた Jaden Jeong 率いるModhaus inc. (以下 Modhaus)である。Modhaus はファン主導型のエンターテインメントシステムの構築を目標として設立された芸能事務所であり、現在は「tripleS」や「プロジェクト ARTMS」を有する。彼らの目標は、ファンを単なる消費者から、アーティストの成長や企画において重要な意思決定者へと変革することであり、ファンがアーティストのユニットメンバー選定やアルバムのタイトル曲決定など、重要な決定に直接参加できるシステムの構築を目指している。特に画期的だと思う点は、アーティスト個人を”グループの一員”としてではなく”ソロ”として捉えている点だ。これは、Jaden Jeong が LOONA の時代から引き継ぎ発展させた文化である。つまり、参加者(アイドル志望者)それぞれの特性に合わせてファンが共に成長させ、グループを組み立てていく仕組みが実現されるのである。ファンにより多くの権限を与え透明性を強化し、一緒にアーティストを育てていくという彼らが描く持続可能なファンダムとアーティストの姿に、私は強く共感する。

参考: Modhaus: K-Pop의 새로운 패러다임

私の妄想であるが、「持続可能なファンダム」のようなコミュニティ主導のシステムはアイドル産業以外の様々な社会問題への解決に応用できるのではないかと仮説を立てている。


私は、誰もが生きていて”おもしろい!”と感じる社会をつくりたい。




そんなこんなで、私はオーディション番組を観れない。いや、視聴者に向いてない。

とりあえず、観る人も観ない人もみんなが幸せであればそれでいい。

それぞれの感性や価値観を尊重していこう。


※個人的な感想であり、酷い文章で申し訳ない。語弊・誤解を与える表現や解説を含む可能性もある。未熟な学生のメモだと思って流してもらいたい。


Shugo🤞.